インバーターを長時間利用するために、バッテリーを並列に繋いで利用したことはありませんか?
この場合、一方のバッテリーが充電完了後、他方の充電完了されていないバッテリーを充電し循環電流が流れる状態となり、その結果、バッテリーの寿命は短くなります。
また、75%放電-満充電を繰り返しながら利用出来るディープサイクルバッテリーを、放電したまま10.5V以下(通常)で長期間充電しないで放置していると、バッテリーのもつサイクル数(充電・放電を繰り返し利用出来る回数)まで利用できない場合があります。これは循環電流によるバッテリーの劣化と思われます。
どうしても並列して1回の放電時間を長くしたいという場合は、「下図 : 12Vバッテリー並列接続例」 のようにバッテリーの接続を試してください。ソーラーパネルは充電器の役割です。一般的なバッテリーの並列接続より劣化を抑えることができると思います。
バッテリーの容量をあらわすのに「20時間率」「5時間率」という表示を見かけると思いますがどう違うのでしょうか。
バッテリーは化学反応で蓄電し放電していますので、電気の取り出し方によって取り出せる時間が変わります。
バッテリーの容量表示で100Ahというものがあるとします。
20Aの電気製品を5時間利用できるのが【5時間率】です。
このバッテリーに5Aの負荷(電気製品)をつなげば20時間使えます。これが【20時間率】です。
これらの取り出す容量により時間率(HR)という単位で基準化しバッテリーの容量を表しています。
電圧に関係なく電流と時間のみに注目した表現が「時間率」です。
国内では実用的な意味から自動車バッテリーは「5時間率(5HR)」、欧州自動車のバッテリーは「20時間率(20HR)」が採用されています。