カリフォルニア州の大規模な例をもとに「ネット・ゼロ・エネルギーコミュニティ」をご紹介します。

ちないに「ネット・ゼロ・エネルギーコミュニティ」とは環境にやさしい暮らしを目指す取り組みで、街のコミュニティ内の年間電力消費を省エネと創エネ効果の組み合わせによって事実上すべてを賄う事を指しています!

「ネット・ゼロ・エネルギーコミュニティ」は、街のコミュニティ内の年間電力消費を省エネと創エネ効果の組み合わせによって事実上すべてを賄い、環境にやさしい暮らしを目指す取り組みだ。今回はカリフォルニア州の大規模な例を紹介する。


住宅だけでなく 店舗、教育施設も参加!

カリフォルニア大学デイビス校(University of California, Davis)と大手不動産ディベロッパー(WestVillage Community Partnership LCC.)の提携のもと、現在、米国で最大規模の「ネット・ゼロ・エネルギコミュニティ」の実証事業が行われている。
デイビス校は、米国で最大規模の州立大学群であるカリフォルニア大学 (UniversityofCalifornia) に属する10校のうちの1つである。同校はカリフォルニア州の州都サクラメント市から約25㎞西部にあるキャンパスに、総学生数3万4000人以上の生徒を抱える。

そんなデイビス校に隣接して建設されるこのコミュニティは「ウエストビレッジ」と呼ばれ、住宅だけではなく、公園、プールなどの公共の施設、オフィス、商店、さらに短期大学なども含めた「タウン」なのだ。

このコミュニティの計画は2000年に始まり、2009年の夏に建設が開始された。2011年には315軒のアパートが完成し、学生、大学関係者が入居できる環境が整えられた。翌年2012年1月には、サクラメントシティカレッジ、「デイビスセンター」と呼ばれる市営短期大学もウエストビレッジ内で開校し、現在2400名の生徒が通っている。

ウエストビレッジの商業エリアには、コピーセンター、バイクショップ、カフェ、レストラン、さらに、民間企業の研究所・オフィススペースもある。現在、コミュニティ内では拡大建設が行われているのだが、これが全て完成すると205エーカー(約83ha)の土地に662戸のアパートと343戸の一戸建てが建つことになり、約3000人以上の生徒と教授・大学関係者が住めるようになる。

各アパートには太陽光発電が搭載

各アパートには太陽光発電が搭載


大型太陽光発電システムでクリーンな電力を供給

ウエストビレッジ内のアパートやコミュニティセンターなど、計6つの建物には太陽光発電システムが導入されており、それによって電力供給を行っている。このシステムは、高変換効率の太陽光パネル製造・供給で知られる世界的企業サンパワー社が開発・設置した。

タウン内では、年間580万kWhの電力が太陽光発電によって賄われている。昨年のデータによると、コミュニティ全体の電力消費量は700万kWh。つまり、全体の電力消費量の82%が太陽光発電によるものであることを意味する。将来的に100%にするには、さらに太陽光発電の設置を増やすこと、または電力消費の削減が必要となる。


「組み込まれた」省エネと「日々実践する」省エネ

温室効果ガス排出量の削減に貢献するため、ウエストビレッジの住宅には省エネ対策が組み込まれている。まず、学生が住むアパートには、高効率エアコン、熱交換型換気システム、高効率給湯器、LED照明、高断熱パネル、高断熱サッシ、シーリングファンなどの機能に加えて、自然の光を多く取り入れられる大型窓が取り付けられている。さらに、国際的省エネルギー制度である「エネルギースター」認定の台所家電、洗濯機・乾燥機も設置されている。
日常生活での省エネを促すために、各住戸ではエネルギーの「見える化」(HEMS)が実施されている。住民は電力モニターを活用し、自宅や外出先でも、スマートフォンを通じて照明、電気製品の設定をプログラムできるほか、リアルタイムで電力消費データを知ることができるのだ。
ちなみに、電気代と水道代はアパートの月々の家賃に組み込まれており、割り当てられた以上の電気または水を消費すると別料金の支払いが発生する。使用料に上限を設けることで、使い過ぎを防止し、省エネに繋がるという仕組みだ。
さて、デイビス校は2017年までに電力需要の60%を「カーボンフリーエネルギー」で賄うという目標を掲げている。先月、同校は大学の中で最大規模の太陽光発電となる16.3MWのメガソーラーを完成させた。これによって、同大学の太陽光発電による電力消費がさらに増えることになった。同校では「カーボンフリー」に向けて、大きな飛躍を遂げている。


コミュ二ティ内の太陽光発電供給量 580万kwh
コミュ二ティ内の電力消費 700万kwh
全体の82%を、ソーラーパワーで消費!

 

A 高い技術力で省エネを実現!
各アパートには、様々な省エネ対策が組み込まれており、 「エネルギースター」認定の省エネ家電が搭載されている。

 

B 暮らすのは、エコ意識の高い住人ばかり!
コミュニティ内は住宅地や学校だけでなく、レストランやカフェなどが ある商業施設も存在する。もちろん使用するのはクリーンな電力。

 

C 学生たちは校内で日々、エコを体験!
大学内の電力の多くが太陽光発電システムによって賄われている。

 

 

取材・文/ソーラージャーナル モベヤン・ジュンコ
ソーラージャーナルへのUP : 2016.1.8

この記事は、ソーラージャーナルからのコラムを転載しています。
元の記事 → http://www.solarjournal.jp/23966/usa04_california/